政策分科会紹介
2019年度のインゼミは「安全保障」、「教育」、「厚生労働」、「地方自治」の4つの分科会で構成されています。
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安全保障分科会
「イラン核合意問題」
皆さんは今日の世界情勢についてどのようにお考えでしょうか?
冷戦終結後、民主主義と自由市場のもとで統合するかに見えた世界は、中国の台頭などにより揺らいでいます。そこで、価値観・利害関係を異にする国々の外交交渉は世界秩序のためにますます重要となり、問題解決のために各国の妥協点を見出すことが交渉の目的の一つともなっています。また、私たちが暮らす日本が外交交渉において求められる役割も変化してきています。そこで、当分科会では皆さんに以下の2つの目的を達成していただきたいと思います。
1、外交のリアルとその難しさの体験
2、主張の異なる国々がどのように妥協すべきか考える
以上の目的を達成するため、国際社会の注目を集めるイラン核合意問題について考えていきます。現在、イラン情勢は難しい局面を迎えています。アメリカは核合意を離脱し、イランへの経済制裁を強化する一方、欧州や中国は核合意の維持を支持しています。さらに、イランは核合意の上限を超え、低濃縮ウランを保有するに至りました。安全保障分科会では、主張の異なるアメリカ、EU、イラン、それぞれの立場に立ち、国益と協調のバランスを取りつつ、利害関係に基づきイラン核問題について交渉する体験をします。そして、この体験を通じて、対立する利害を踏まえながら妥協点を探る外交のリアルと難しさを経験することになります。さらに、目下進行中の問題に関して知識を得ることができます。皆さんの参加をお待ちしています。
教育分科会
「人生100年時代における学びの在り方」
昨今、情報技術や医療技術など科学技術の発達によって人々の生き方や価値観が急速に変化しており、それに伴って社会自体も大きな変動の時期を迎えています。
このような潮流の中で、社会のあらゆる分野に様々な形で変化の波が押し寄せており、その変化は今後も留まる所を知らないでしょう。
教育分野もまた、変化の例外ではありません。OECD加盟国を中心に教育の意義・在り方が再検討され、絶え間なく変化する社会に適した教育への転換が要請されているのです。
本分科会がテーマとするのは、それらの社会的変化に適合した形の教育として近年注目されている生涯教育、とくにその中でもリカレント教育です。変化を続ける社会で主体的にキャリアを形成するためには、学校教育修了後も個人が生涯にわたって学びを継続することが求められます。
本分科会ではそのような学びを提供するために生涯教育をどう実施し、世の中にどう普及させることで、より生きがいのある社会を実現できるのかを参加者の方々に深く考えて頂きます。
教育業界や教育政策に少しでも興味をお持ちの方、また議論を通して教育の将来を考えてみたいという方など、多くの方々のご参加を心待ちにしております。
厚生労働分科会
「医療制度の持続性」
皆さんは現在の日本の医療が置かれた状況をどう捉えているでしょうか。病気やケガをしても当たり前のように享受できている廉価で質の高い医療が、今後も享受できはずだ。そう思ってはいませんか? 現実はそう甘くはありません。というのも、日本は「国民皆保険」制度により国民全員が何らかの保険に入って医療を受ける事ができる一方で、高齢者の医療負担分を若い世代が支える社会保険方式というシステムをとっています。つまり、このままでは超少子高齢化の進展によって、我々の世代は高齢者を充分に支えるだけの保険料を賄えず、結果的に、廉価で質の高い医療を享受できなくなってしまう可能性があるのです。
そこで今回、令和という新時代を担う皆さんに、厚生労働省の官僚の立場と将来の負担者という立場から 「廉価で質の高い医療を全ての人が持続的に受けられるようにするために、今私たちにできることとは何か」「100 年先も続く医療を実現するために必要なものは何か」について、幅広い視点から考えて頂きます。そして帰る頃には、確かな成長を感じ取って頂けるでしょう。
医療に関心のない方も、令和という空白のページを率先してデザインしたいという強い気概をお持ちの方も、あらゆる学生の皆さんの参加をお待ちしております。
地方自治分科会
「自治体のダイナミズムを体感せよ!」
2014年、「2040年までに896もの自治体が消滅する」という内容の増田レポートが発表され、世論に大きな衝撃を与えました。
日本社会全体が人口減少のフェイズに突入した中、人口減少が首都圏よりも急速に進行する地方では今後、数々の深刻な問題が生じることが危惧されています。また、全国の自治体のあり方が現在と同じ姿のまま維持される保証も無くなりつつあります。
本分科会では、関西の中核市たる和歌山市をモデルの自治体として想定し、参加者の皆さんに今後の和歌山市が取るべき方向性について政策提言していただきます! 和歌山市は地域特性上、人口減少といった日本全国で進行する課題だけでなく、来る南海トラフ地震を念頭に置いた防災やまちづくり、交通政策といった独自の問題意識をも抱えています。これらの課題群に立ち向かうべく、和歌山市は一体どのような政策を講じるべきなのでしょうか?
和歌山市というモデルを通じて、地方自治について私たちと一緒に考えてみませんか?